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織田真智子(おりた・まちこ)さん

       織田真智子さんの紹介


1974年 近畿大学薬学部卒業

    卒業後、近畿大学東洋医学研究所特別研究生として
     漢方の基礎研究に従事。専門は、漢方生薬「サイコ」、
     「カンゾウ」、 「ニンジン」を中心とした基礎薬理学。
1994年3月 研究の成果が認められ、近畿大学より医学博士
     号取得。
1994年4月 近畿大学東洋医学研究所非常勤講師
1999年4月 近畿大学医学部薬理学非常勤講師

  漢方薬の研究に従事する傍ら、2004年農水省より『伝統野
 菜の健康増進効果についての基礎薬理学的研究』で科学研
 究費取得。
 1987年に薬菜弁当店「キッチンオリタ」を開設。東洋医学の栄
 養学をベースにした仕出し弁当の調理と経営にたずさわる
 食と健康に関する講演、テレビ出演など多数。
鬼の絵の女流
 墨彩画家・阪口真智子氏としても活躍。    

                    自己紹介   

第10話 漢方からアンチエイジング
第7話 話題の食材スプラウト 第8話朝食は食べるべきか否か? 第9話夏の食養生
第4話 自分の体質を知る 第5話 陰と陽 第6話 風邪に葛根湯
第1話 人間は飽食に弱い! 第2話 塩をとりすぎると・・ 第3話家庭薬膳のすすめ 


第10話2018・1・7
 漢方からアンチエイジングを考える  
 抗加齢(アンチエイジング)医学とは、人が生きてゆくために避けては通れない
[老化]を健康的に緩やかに自然に迎えるための科学です。これは予防医学
の考え方で、漢方でいうところの
「未病を治す」と同次元の考え方です。
 アンチエイジングと言えば、今はやりの最先端の医療のようにもきこえます
が、漢方では千年以上前からこの発想のもとに、元気な長寿を迎えるための
理論的かつ実践的な医術と薬物を求め続けてきました。ですから漢方の中に
こそ、アンチエイジングへの様々なヒントや知恵が満載されているはずです。
 現在、西洋医学的に行われている医療として

@フリラジカル消去:体内活性酸素を消す薬物投与
Aデトックス:体内有害物質(発癌物質や有害金属)廃除 
Bホルモン療法:加齢で減少するホルモンを補う

 以上の3本柱です。しかし、日々目新しい療法が登
場してマスコミを騒がせ、いかがわしい商法がまかり
通る世界でもあります。この現代の風潮の中にあって
私の専門分野である基礎薬理学の立場から実際の実
験データをふまえた上で話を進めていきます。
 今回2つの実験例を紹介します。この中で、まず老化とは何か、どう捉えるか
ということについて解説し、とらえた目標に対する治療方法と治療成績及び結
果について報告させていただきます。
  1)赤血球変形能(赤血球の柔軟性)

              クリック拡大

ヒトをはじめとする哺乳動物は、体の
中を縦横に走る血管の中を血液がよど
みなく流れることによって生命を維持し
ています。血液成分の中でもっとも多い
赤血球の状態が大事です。赤血球はア
メーバーのように変形することが知られ
ています。直径8ミクロンの赤血球が内
径2〜3ミクロンの毛細血管中をスムー
ズに流れるためには変形しなくてはなり
ません。血管の中を流れる血液がスム
ーズに流れるかどうかは、赤血球の柔
軟性にかかっているのです。
 ここで、実験的に赤血球の変形能を
数値化して見るために次のような実験
方法を考案しました
編集部が 実験の説明を省略)
 実験の結果、実験動物(ウィスター系
雄ラット)の赤血球の変形能(柔軟性)
は若いほど大きい(柔軟である)ことが
証明されました。加齢によって赤血球の
柔軟性が失われ、血流が悪くなっていた
のです。



クリック:拡大

次に、漢方薬の効果をみるため、同様
の動物を用い2群にわけ、1群には通常の
飼料を、2群には漢方薬(粉末)を添加し
た飼料を4週間自由摂取させました。赤血
球の変形能の測定値は、漢方薬投与群
で明らかに大きいことがわかりました。
 加齢に伴う赤血球変形能の低下を抑制
することで、血流改善効果が得られたの
です。このとき用いた漢方処方は、
桂枝
茯苓丸
大柴胡湯などです。この結果
は、
漢方薬のアンチエイジング効果であ
るといえます。

2)小腸内腔の微絨毛の形態学的所見

クリック:拡大
 ヒトも植物同様栄養分を吸収するため
の根を持っています。腸内にある絨毛が
それにあたります。植物に根がないと地
上部が成長できないのと同じく、絨毛が
長くそしてそろっていないと必要な栄養素
を吸収することが出来なくなります。この
絨毛は、有害物質の摂取、大食、ストレ
スなどによって変化します。加齢によって
も短くなったり乱れたりします。加齢の指
標の一つとして絨毛の実験を行いました。

 (編集部が 実験の説明を省略)
 この実験の結果、実験動物ICR系マウ
ス雄
)の小腸絨毛は、加齢するほど短くな
り配列に乱れが出てくることが確かめられ
ました。

     絨毛=じゅうもう
 次に、漢方薬投与した群と投与しない
群で比べたところ、投与した群で長さの
短縮、配列の乱れの両者で改善が見ら
れました。このとき用いた漢方処方で有
効性が認められたものに、
十全大補湯
補中益気湯
人参養栄湯などがありま
す。漢方薬投与で栄養素の吸収の改善
、jひいては加齢による腸管内の環境改
善が可能であり、実験的に
漢方薬の老
化抑制作用(アンチエイジング効果)

証明されたと言えそうです。
 今回の実験が『老化を科学的に考える』手段の一助となリ、アンチエイジ
ングの可能性が広がれば幸いです。

引用文献
1)  Erythrocyte deformability in aging Hiroko Abe,  Machiko Orita, Shigeru Ariti,
Mechanisms of Aging and Development, 27(1984)383-390
2) 赤血球変形能に対する桂枝茯苓丸の作用  織田真智子、 阿倍博子、 有地滋
WAKANYAKU Vol.1 243-248(1984)
3)Effects of Chinese Medicine on Morphological Chnges in the Intestinal Villi
with Age   Fang Tang,  Hiroko Abe,  Natural Medicines  49(3), 240-248 (1995)



第9話>2017・7・1
   
きびしい夏を健やかに!夏の食養生
今回は中医学からみた夏の食養生についてお話します。
 じめじめうっとおしい日が続くかと思うと突然照りつけ、気温と湿度の両方が高くなると、耐えがたい蒸し暑さになる。この時期食欲がなくなり夏負けの第一段階に入ります.昨年の猛暑では、体調をくずした人がずいぶん多かったようです。とりわけ涼風が吹きはじめる9月になってガックリと体力がおちてしまうのです。
 
 中医学によれば、夏季は
「天は熱く、地は火となる。その性は暑」という。
 夏は大量に汗が出て水分と栄養を消耗するので、体液のバランスがくずれ、代謝が乱れやすくなります。とりわけ水分の補給のしかたをまちがうと、体調をくずし、夏バテの原因になります。 

 夏季に適した飲食はどのようなものかと言いますと、
肉類は少なめに、冷たい和物や卵料理、豆製品、胡麻、緑豆、新鮮な野菜(瓜類・なすなど)をしっかりとり、ニンニク、しょうが、からし、しその葉などを適当にあしらい、殺菌、胃腸機能増進をはかります。

その他、注意したい点を箇条書きにしてみました。


@料理には酢を使う
 夏には大量のビタミンCが必要となります。調理時に酢を使うことにより、口あたりが良くなるだけでなく、
ビタミンCの働きも保護することになります。また同時に殺菌、解毒、腸管の伝染病予防にも効果があります。
A暑い日の水分補給に薬用茶を飲む
 夏場はいつもジュウヤクと煎じハトムギを同量加えたものを煎じたお茶を飲んでいます。
ふつうにムギ茶をたくときの要領で沸騰してから5分くらい煮出したものをこして冷蔵庫に冷やしておき、水分補給にたびたび飲みます。これだけのことで、皮膚の表面にできた小さいイボなどはとれますし(ハトムギのいぼとり効果)、ジュウヤクの毒消し作用で便通も快調です。ただし、ジュウヤクは、体を冷やす作用があるので、どちらかというと冷え性タイプの私はこのお茶は夏場だけにしています。
B冷たい飲み物を大量に飲まない
 暑いとついつい冷たいもの(食事の時の冷菜ではなくアイスクリームとか氷などの冷菓や冷たい飲料水)をとりすぎてしまいますが、そのため胃腸の機能がおとろえ、食欲がなくなり、夏バテをひきおこします。
 真夏に気温40度以上になるインドを旅したことがありますが、とにかく暑くて暑くて、冷たい飲料ばかり飲んでいました。冷たいものは飲めば飲むほどもっとほしくなり、水腹で体は重く、すっかりバテてしまいました。まわりのインド人は家庭に冷蔵庫を持っているわけでもなく、炎天下の道ばたで熱いチャーイ(インド風ミルク紅茶)をすすっていました。私も現地の人を見習って、熱いお茶をすすってみると、不思議とのどのかわきがおさまった経験があります。
 
暑い日に、濃い目の紅茶をすすってみる。今年は一度体験してみて下さい。
C冷たい生ものの食べすぎには注意する
 中医学では、胃は暖を好み、寒を嫌う。と言われています。中国の有名な医者孫思バクは「老人は疾患が多い。これはみな、若い頃、春と夏に冷たいものを食べすぎたせいである。生野菜、生肉、なまぐさくて冷たいものは人体を損なうので食べないのがよろしい」とまで言っています。
 同時に冷たい和物料理を食べるには、食品衛生が大切です。変質や、調理時の汚染に十分気をつけて下さい。
 今年の夏も昨年に増して猛暑がつづくかも知れません。地球温暖化現象のせいで、年々暑くなっていることは確かです。食生活のバランスをととのえ、暑さをはねかえす体力をつけて夏の猛威をはねかえしましょう!。



                      
<第8話>2017・4・25  

世間は喧々諤々!
朝食は食べるべきか、否か?

「朝食はとるべき」といわれる根拠をまとめると3項目くらいにわけられます。
  1. 朝食をたべると、脳と体が効果的に働いて仕事や勉強に集中できる。
  2. 朝食をとらないと、肥満になりやすく糖尿病や高脂血症の引き金になる。
  3. 早寝早起きの習慣がつき、1日の生活リズムができる。
 まず@の効果、「朝食をたべると、脳と体が効果的に働いて仕事や勉強に集中
できる」
についてその真意の程をさぐってみましょう。
 筑波大の鈴木教授が、@の効果を実証するべく大学内で学生を対象にして実験
を行いました。大学の授業開始前の8時から30分間の朝ゼミの前か後に、“ゆで
玉子”を一個朝食として食べるようにしました。効果を、20名程の研究室所属の大
学院生で試してみました。しかし、学生たちの発表のしかたや内容がレベルアップ
することもなく経過。一年もたたぬうちに、当番制であった玉子ゆで作業も中断さ
れそのまま消失していったという。
  ゆで玉子を食べなくなっても、ゼミの
内容は良くなることもなく、悪化するこ
ともなかった。栄養失調ならいざしらず
栄養が自動的に集中力を高めるとい
う説は無理があるようです。仕事や勉
強への集中は、本人たちの意欲のあり
方に左右されるのではないでしょうか。
 実験が最期まで継続できなかったの
効果が自分たちでも実感できず、意
欲を失っていったからのように思えます。
 朝食を食べると頭が良くなるという効
果は期待うすのようです。しかし、朝食
をぬくと、午前中の朝礼や体育の授業
がある日などは、エネルギー不足で倒
れたり
・・・・・という事はよくあるようで
す。また、肉体労働をする人にとって
朝食をぬくと、とても昼まではもちま
せん。
 次にAの効果、「朝食をとらないと、肥満になりやすく糖尿病や高脂血症
の引き金になる」
についてですが、たしかに一日三食をバランス良くとっている
人にとっては、朝食をとる方が肥満になりにくいと言えるでしょう。しかし、こ
の毎日「三食バランス良く」というのが結構むつかしいのです。 
 つきあいで誘われついつい夕食がカロリーオーバーになったり、外食が続き、
脂質とでんぷん質ばかりの献立に偏ったりということになると、いくらきちんと
朝食をとっていても肥満になってしまいます。かえって、「朝食をとらないとい
けない」と思い込み、無理に食べることで、さ肥満に拍車がかかることもあるの
でご用心。
  今年七十五歳になる私の父の例で
すが、私が知る子供の頃から朝食はと
っていません。昼・夕の一日二食です
が、若い頃からの体重を維持していま
すし、今も毎日仕事に従事しており、時
々早朝からやはり朝食ぬきでゴルフに
出かけます。朝食ぬきですが健康で体
に特別異常はありません。
次にBの効果、「早寝早起きの習慣がつき、1日の生活リズムができる」
 ですが、確かに朝食をとることで一日に生活リズムができて、規則正しい生
活が送れます。朝遅く起きて、ゆっくり新聞などを読んでいるとあっという間に
昼がきて、朝食兼用の食事をすませてテレビの前に座るとすぐに夕食の時間。
 一日何をしていたのかと思うくらい時間のたつのが早く一日がむなしく過ぎて
いってしまう経験は誰しも持っているのではないでしょうか。
 朝食を食べると、食事誘発性の生
体熱産生反応がおこり、体温が上昇
します。かむことにより、脳の中に
血液を送り込み、脳の活動をうなが
します。次に消化吸収された糖質・
脂質とたんぱく質は細胞にとりこま
れてエネルギーに分解されたり体の
たんぱく質に合成されます。

 朝食のもたらすこの二段階の作
用で、脳と体がウオーミングアップ
し、その日の勉学や、仕事に対する
エネルギーがわいてきます。
 以上のことから考えると、朝食を食べるべきか否かの問題は人によって異な
り同じ人でもその日のスケジュールによって答えは違います。
 午前中に重い仕事がある時は、しっか
り食べるべきでしょうし、前夜食べ過ぎて
エネルギー過多になっている時は、野菜
ジュースとおむすび一個という軽いもので
も十分だと思います。

 朝食は@ABの理由から、食べなけれ
ばいけないと思い込んでいる人が多いで
す。一日三食のバランスを考え、早起き
の習慣をつけて朝食をとるのが理想でし
ょうが、なかなか理想と現実は合致しない
ものです。
                          
臨機応変であなたの体がいちばん喜ぶ方を選択するのが良策でしょう。

                        
<第7話>2017・2・25  

今話題の食材“スプラウト”って健康にいいの?


スプラウトとは、貝割れ大根やもやしのような双葉が開き始めた新芽のことで、最近はいろんな種類が出回っています。発芽玄米、そばの芽、豆苗(とうみょう・・・・・えんどう豆の若芽)、アルファルファなどいろいろありますが、中でも今注目のブロッコリーのスプラウトについて、一緒に考えてみましょう。
スプラウトが一躍脚光を浴びるようになったのは、1997年にジョンズ・ポプキンス医科大学のポール・タラレー教授が、「ブロッコリーのスプラウトにがん予防効果がある」と報告したことからです。もともとブロッコリーそのものにもがん予防の効果があることは知られていましたが、若芽のほうがはるかに強力だというのです。植物は発芽するときに、それまでに蓄えたエネルギーを一気にうまく活用する機構を備えており、栄養的にもこの時期のものが優れていることがわかっています。
がんを抑制する効果があるのは、ブロッコリーの中のスルフォラファンという物質です。どういう働きをするのかというと、ヒトの肝臓内にある解毒酵素の働きを活性化し、発癌物質や有害物質を体外に排泄する機能を高めるのです。そしてありがたいことにこの作用は持続性があって、なんと3日以上も続くそうです。がんになる危険率を半分に減らすためには、毎週スプラウトを25g以上2・3回に分けて食べると良いということです。(スルフォラファンの含有が一番高くなるのは発芽して3日目のものです。家庭で栽培している人はこのときを狙って食べて下さい。)
スプラウトの調理方法は?

@生で食べる・・・・・サラダ・生春巻きの具、丼などの天盛り。
A加熱して食べる・・・・・スープ、味噌汁、ラーメンなどの浮かし
 にする。

 そのほか、刻んで玉子焼き、オムレツなどの卵に混ぜて焼いても良い。少し癖のある味と香りがあるため、慣れない人は加熱すると食べやすくなります。ただし、スルフォラファンは熱に強いのですが、水分とともに流出しやすいので、過熱して調理するときは汁ごと食べる料理にしたほうが無駄がなくてよいでしょう。

がんを予防するには?

 "癌”と聞くと誰しも不安で、予防できるものがあれば何でも飛びつきたい気持ちは解りますが、スプラウトを毎日100g食べたとしても癌にならないとはいえません。なぜなら、スルフォラファンの力で肝臓の解毒作用は強化できたとしても、それ以上のストレスがあったり、食生活のアンバランスから免疫力が極端に低下してしまったとしたら、やはり発ガンの可能性は出てきます。

 今回お話してきた「スルフォラファン」もスプラウトだけに含まれているのではなく、キャベツ、菜の花、大根などにも含まれています。「スルフォラファン」だけにこだわらず、きのこ類やビタミンC・Eを多く含む食品などにも一緒に組み合わせて食べることによって、多方向から癌を寄せ付けない体づくりをしましょう。



 
<第6話> 2016・12・20 
  ー 葛根湯(かっこんとう)の正しい使い方 
    

 風邪に、即効性が期待できる代表的な漢方薬に「葛根湯」(かっこんとう)
があります。「漢方は副作用がないけれど、長く服用しなければ効果が現れ
てこない。」とよく言われます。しかしこれは大きな間違いです。漢方薬には副
作用もあれば、即効性が期待できる処方もあります。

葛(くず)の花 根は葛根の原料になる
 即効性が期待できる代表的な処方の1つに「葛根湯」(かっこんとう)があります。一般の薬店では「風邪に葛根湯」というキャッチフレーズで販売されており、日本人には馴染みの深い漢方薬ですが、その使い方については正しく理解されていません。今回は、「風邪の季節の葛根湯」について解説いたします。
 葛根湯の出展は西暦200〜205年 張仲景によって著された「傷寒論」にその源流があり、そこには以下のように書かれています。《汗がなく、後背部がこわばり、悪寒、悪風のあるとき葛根湯これをつかさどる》
 短い文章の中に葛根湯を応用するための大原則がしたためられています。


ウィキペディア肩こりより
 2000年くらい前のことですから、風邪という病名はなく、《 》を目標にして葛根湯を使ったようです。 肩こりは、“後背部のこわばり”に相当しますので葛根湯が効を奏します。

 葛根湯の中味をみてみますと、葛根(かっこん)麻黄(まおう)、桂枝(けいし)、生姜(しょうきょう)、甘草(かんぞう)、芍薬(しゃくやく)、大棗(たいそう)の7種の生薬がはいっています。

 重要なのはなんといっても葛根です。葛根は性質の穏やかな生薬で、下痢の治療にも使われますが、ここでは
、熱を冷まし筋肉のこわばりをとる働きをします。

 麻黄、桂枝は発熱を促進し、体の表面部にある病邪を汗とともに発散させます。同時に芍薬で発熱しすぎになることを防ぎ、生姜、甘草、大棗で消化器の働きを高めます。


 この様に7つの生薬があいまって効果を発揮しますが、先ず発汗を促進するために、煎じ薬は熱いうちにのみ、服用後に重ね着し、熱いお粥を食べるといっそう効果があがります。
1回の服用で汗が出て病気が退散したならば、続けて服用してはいけません。もし、効果がなければ、そのあと2,3回は服用してもかまいません。
  感冒の初期症状で、「無汗で、悪寒と後背部のこわばり」はいつやってくるかわかりません。だから、いつこういう症状におそわれても心配がないように、葛根湯は携帯していなくてはなりません。
もちろん生薬を煎じた液を暖かいうちに飲むのがいちばん効きますが、煎じ薬を携帯するのは少々無理があります。

 
市販のエキス剤だと持ち運びには便利です。上記のような症状が出たとき、ぬるま湯に溶かして、少々多目の量をいっきに飲んでください。10〜20分後に効き目が実感できます。
 
 これでみなさん少しは葛根湯の使い方をマスターしていただけたかと思います。進行してしまった風邪に何日も葛根湯を飲んでいる人がいますが、これは正しい使い方ではないことを理解していただけましたでしょうか。
               
                  織田真智子   キッチンオリタホームページより


      
    <第5話> 2016・9・27

              ー 陰 と 陽 ー    

 古代中国の人々は、自然界に起きる様々な現象や存在する物質を、『陰』と
『陽』の2つに分けて考えていました。
 例えば、『陽』の男性に対して『陰』の女性。自然界の移り変わりでは、春夏
の陽性に対して秋冬の陰性。1日の変化では、朝昼の『陽』と夕夜の『陰』。
 この相対する『陰』と『陽』のどちらが上位でどちらが良いかということを問題
にしているのではなく、すべて物事には裏と表がありその両方が必要なのです。

 
日向があると必ず日陰があるように、物事の表をはっきり定義づけて決めて
しまうと、必然的に裏が決まり、その物を両面から見れることになります。

 自然界におこる事象の陰と陽は絶えず入れ代わり、決して同じところに留ま
ることはありません。暑い夏はいつまでも続く訳はなく、秋が来て冬が来ます。
 そして再び花咲く春がめぐってくるのです。1日の変化の中でも、朝昼夜と留
まることなく循環しています。

 こういう見方で人の病気を見てみますと、病気にも『陰』の病と『陽』の病があ
ることになります。最も一般的な病気の「風邪」を陰と陽に分けてみます。
 
陽性の風邪は、ぞくぞくっと寒気がしてきたなと思ったら発熱してくる。
顔色は赤く脈拍数は増加し頭痛が起こってきます。この時後背部にこわ
ばりがあれば、「葛根湯」が適しています。これに対し陰性の風邪は、ぞ
くぞくした悪寒に襲われるのは同じですが発熱は起こらず青白い顔をし
ています。高齢者や病気療養中の人たちは、往々にしてこちらの病状に
進みやすいものです。この種の風邪は「陰性の風邪」と呼ばれるもので
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が合います。


 このように漢方では様々な病気に対して陰と陽に分けて考え、各々の症状に
適合した漢方薬の使い方の指示がされています。


 西洋薬の風邪薬はというと、表面に出てきた症状の対処法しか考えていま
せん。発熱があれば解熱薬、くしゃみ鼻づまりには抗アレルギー剤、頭痛には
鎮痛剤といった具合です。その症状だけは押さえ込めるかもしれませんが、
患者が快方に向かうか否かは二の次です。

 子供が幼稚園に通っているころ、風邪で三十九℃以上の熱が出て、家人に
せっつかれて病院に連れて行ったことがあります。対処療法としてもちろん解
熱剤が処方されました。薬を飲ませるとうそのように熱は下がりましたが、ど
んどん下がって35℃にもなってしまい、冷たくなってぐったりしてしまって
びっくりしました。数時間して薬の作用が切れてきた頃、再び熱が上がってき
て返ってほっとした経験があります。

 解熱剤が効いていた時間帯はたしかに熱は下がっていましたが、子供の症
状は逆に悪化していました。それ以降解熱剤は子供も私も服用したことがあり
ません。
発熱は生態防御反応のひとつで、体温を上昇させることによって外的
の細菌やビールスをやっつけているのです。体が一生懸命戦っている結果な
のです。


 皆さん方も体に異常や故障が生じたとき、症状だけを押さえ込む対処療法ば
かりに囚われないで、体を根本から快方に向かわせる対策をとってほしい
ものです。そのための方法のひとつとして、東洋医学的な病気の見方が
あることを知っておいてほしいと思います。
 
織田真智子   キッチンオリタホームページ 医食同源よもやま話より

                 
  <第4話>
2014・9

                −自分の体質を知ること−


 人は一人一人体型や顔立ちが違うように、病気に対する抵抗力や回復力
も違います。即ち体質が違うのです。人は自分のことを一番よく知っているよ
うで実は知らない。そのせいで間違った食養生を実践して逆に体を痛めてし
まっていることがよくあります。東洋医学を学ぶことは即ち
「自分を知る」
法でもあるのです。 

     人はそれぞれ体質が違うという実際の例を紹介します。

@1月の寒い日に10人ほど集まってストーブのある部屋の中で生姜汁
   飲んでもらいました。10人中8人は体があったまってとてもおいしいと感
   じましたが、2人は逆に気分が悪くなったのです。日本人の女性の70%
   以上は冷え性体質で、こういう人は体を温める生姜汁を飲むと気持ち
   がよくなりますが、もともと温まりすぎるタイプの人には逆効果。自分の
   体に合う食べ物、合わない食べ物があるのです。

Aまたインフルエンザが大流行し、家族みんなが感染する中で、ぴんぴん
   元気な人もいます。汚染された大気中で生活していても喘息にかかる人
   や何ともない人がいます。
   こんな風に病気に対する抵抗力や免疫力にも
個人差があります。
   一人一人の体質は100人いれば百様なのです。

     漢方ではこの体質をどのように表現するのでしょう?

 A.まず、体が温まりやすいか冷えるタイプかで熱タイプと寒タイプ
    分けます。

  B.また病気に対する抵抗力のあるなしで、抵抗力のある人は「実」、抵
    抗力の弱い人は
「虚」に分けます。どちらにも相当しない人は中間証
    
ということになります。

ここまで来ると漢方特有の言葉や漢字が出てきますのでそれに対して拒否
 反応をおこしてしまう人がいるのですが、
漢字のイメージをそのまま捉えて
 理解すると、すっと頭の中に入ってくると思います。

ではここで、質問形式の表を使って自分の体質を見極めてみましょう。

  .まず熱タイプと寒タイプ、どちらのタイプに入るか、○×式の得点
   問題でチェックして下さい。
 (表―1)(それぞれの人のイメージを絵にしてみました→
表をさわる

  
  B.次に「実」と「虚」のタイプの分け方です。@と同様○×式の得点
   問題でチェックして下さい。(表―2)(それぞれの人のイメージを絵
   にしてみました→
表をさわる
  


 自分の体質について少しは理解ができましたでしょうか?漢方ではどの体質
が良いということは言っておりません。しいて言えば熱でも寒でもない中間、実
でも虚でもない中間が理想的なのです。自分の体に合った食を選ぶ「薬膳」を
実践するための第一歩はまず自分の体質を知ることからはじまります。

今回は「自分の体質を知ること」ができましたでしょうか?


                                  

  <第3話>2014・8
  
家庭薬膳のすすめ5つの味と5つの作用


          @古代中国の4種の医者  

約2000年前の中国の医者にはそれぞれ役割分担があって、4種に分か
  れておりました。4種の医者とは:

@     一人ひとりの体質に合わせて毎日食べる食材と調理法を考え、健康
 な体を維持する食べ方を指導する「食医(しょくい)」

A     現代の内科医に相当する「疾医(しつい)」

B     現代の外科医に相当する「瘍医(ようい)」

C     家畜などの病気を治療する「獣医(じゅうい)」

   この中でも最上位に位置するのは@の食医でした。

中国に「上工は未病を治す」という言葉があります。即ち「すぐれた医者は
病気になってから治療するのではなく、病気になる前に日々の食事で予防す
る」ということなのですが、これは非常にむずかしいことです。考えてみて下
さい。私たちは体調が悪くなってから病院を訪れます。風邪をひいたと思えば
内科に、腰が痛いとなったら整形外科に、虫歯が痛むと言えば歯科医に、
といった具合です。診察室に入って医者の前に座って、「今日はどうしました
?」と聞かれ、「風邪をひきました」とか「虫歯が痛むんです」と答えます。答え
ると同時に診断はできており、医者に診てもらう必要はないはずです。ところ
が、特に症状がない時に病院に行って、「私が将来かかる病気を予防してく
ださい。」と相談したとしたらどうでしょう?適切な処置をしてくれるお医者さん
はまずいないでしょう。

病気になってから処方された薬を飲むより、病気にかからないよう毎日の
食事を考えて食べる、これが薬膳の考え方で、現代医学が治療医学だとす
れば
薬膳は予防医学に相当します。

それを実際に行っているのが家庭の主婦なのです。糖尿病・動脈硬化・血
栓症などの現代病は、かかってからではなかなか治りません。おかあさんが
家族の健康を守るための食事づくりの知恵をうまく実践できれば、家族全員
がより長く健康な生活を維持できるはずです。

 薬膳というと「漢方薬を使った薬臭い料理」という風に考えられがちですが
自分の
体質に合った食材をうまく調理すると本当においしいものです。

 最近、街中には高価な薬膳料理のレストランがみかけられます。そういっ
たレストランで食事するために1週間くらい前から粗末な食事にしてお金を貯
めて出かける。これは本来の薬膳の考え方からすると大きな間違いです。
薬膳とは毎日食べてこそ効果を発揮するもので、
家庭で作る決して高価
なものにはなりません。


    A薬膳を実践するためのポイント 

(1)  自分の体質を知ること

薬膳を実践するための大切なことはまず食べる人が自分の体質を知ること。
自分のことは一番よく知っているようで実はわかっていない人が多いのです。
薬膳を学ぶことは即ち自分を知ることにつながります。(第4で話詳しく説明し
ます)

(2)    食べ物一つ一つの働きや性質を知ること

 「どんなものが栄養価が高いの?」とよく聞かれますが、食卓に上がるも
の一つ一つに違った栄養素が含まれていて、いろんなものをバランスよく食
べることが必要です。特定の食材だけを食べて体に必要な栄養分を全て補
うことはできません。

薬膳では、食べ物は全て5つの味と5つの性質に分けて考えます。5つの
とは@酸・A苦・B甘・C辛・D鹹(しおからい)で、それぞれの味が体内
で対応する臓器に働きます。

5つの性質とは@寒・A涼・B平・C温・D熱で食べる人の体を冷やした
り温めたりする効果のことです。第5話で詳しく説明します) 

薬膳を実践することは、(1)食べる人の体質と(2)食べ物の性質をうまく組
み合わせて食べることによって健康増進を計ってゆくことです。基本を学び、
是非実践してみて下さい。


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<第1話> 2014・5

      @若き営業戦士の場合     

友人の息子さんで、30歳。大手企業にお勤めの営業戦士
で、毎夜、接待、接待でちゃんと家庭で食事も摂れない日々
が続いておりました。ある朝目が覚めたら、
体がだるくて起
き上がれない
。しかも体中あちこちに湿疹が出て、とてもと
ても出社できる状態ではありませんでした。さっそく電話が
かかってきて治療方法を尋ねられました。

詳しく聞いてみると、自分が接待する側なので無理にでも
食べないと
お客が遠慮するので暴飲暴食の毎日。毎朝6時
出勤の夜12時帰り。もともとがっちりした体格で年齢も若か
ったので、この時の症状に対しては治療薬を投与するよりも
まず
30時間絶食することを勧めました。30時間というと1
日24時間より長い絶食ですので少々厳しい要求でしたが
よっぽど辛かったのでしょう、ちゃんと30時間の絶食を守っ
てくれました。その結果何の薬も使わずに色々な苦痛が一
度に全部吹き飛んだように治りました。

現代人は食べ過ぎで体調不良を引き起こしている人が非
常に多く、
糖尿病などはそのいい例です。薬を使わず、
事療法と運動
だけで多くの人が健康を取り戻せるのです。
 今回の友人の息子さんがいい例でしょう。

漢方薬といえども薬です。使わないに越したことはありま
せん。まずは毎日の
食を見直してみることです。自分なり
の薬膳を学び大いにその知識を取り入れて下さい。

           

         教訓 食べ過ぎより小食が健康の鍵




   

   A人間、飢餓に強いが飽食には弱い

地球上に人が誕生して現代までの何億年の間、常に飢餓
との戦いでした。日本でも飢饉のたびに餓死する人がたくさ
んでました。そのため私たちの体の中には飢餓に負けない
ように体調を調整する
遺伝子がしっかり組み込まれていま
す。食べ物が十分量確保できるようになったのはここ数十年
のことで、ヒトの歴史からみるとほんの短い時間です。
 そのため私たちの体の中には
飽食に立ち向かうための対
処方法は組み込まれていません
。健康増進のために何を
食べればいいかを考える前に、まず食べる量を減らすことを
考えたほうが近道ではないでしょうか。こう言ってしまうと、
「薬膳よもやま話」のお話は続かないのですが、薬膳の話を
始める前に、巷にあふれかえっている現代の食に関する情
報に物申したいことがたくさんあります。それをかたづけない
と薬膳の知識を紹介するまでにいたりません。今回の連載
が1回目になりますが、今後気長にお付き合いくださいませ。


          では、健康増進のために何を食べればいいの?
                   次回からお話しします。


 

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