2007年12月15日掲載 
                  2012年8月8日改訂 
                   
                   
                   
                   
                   
                   
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                           奈良時代の天皇から一般の人びとまでの歌を集めた万葉集。 
                          これに歌われた植物を万葉植物と呼んでいます。 
                          鑑賞のための花から実用的な植物、現在では雑草とされているものまでさまざまです。 
                          私たちが住む東大阪でも見られる万葉植物を順にご紹介します。 
                          一般に“萬葉集”の文字を使いますが、ここでは万葉集で表記します。 
                          花の名のひらがなは万葉名、カタカナは現代名です。 
                   
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                  | (酒野通信員)    | 
                
                
                   
                   
                  くそかずら(ヘクソカズラ) アカネ科 
                    
                   
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                        屎葛なんて名はあるの・・・?  
                          
                         「ああ、この植物か・・・」と、多くの方がご存知のつる植物です。植物図鑑に正式にへクソカズラ(屁糞葛)と記されています。屁まで付け加わって、かわいそうな名前をつけられています。茎や葉にある強烈な臭気のためです。多年草で、ネットやフェンスなどに茂る歓迎されない植物の一つです。 
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                              | 可愛い花です | 
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                        花は田植えの頃から咲きはじめ、初冬の頃まで次々と咲きます。小さいけれど、蝋細工のような感じの可愛い花です。ヤイトバナの別名がついたのは、花の中心部の赤色がお灸の痕に似ているからでしょう。サオトメカズラ(早乙女葛)の名は、花の可憐な感じからだと思われます。いい名前ももらっています。花のあとは、光沢のある茶色い実ができます。 
                         この植物の実と知らずに、茶色い実をリースの材料にして飾る人もいるようです。臭いには気をつけましょう。 
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                         歌の意味は・・・ 
                         
                         皀莢にまといつき、広がり乱れている屎葛のように絶えることなくいつまでも宮仕えしよう。  
                         
                         皀莢(かわらふじ)はマメ科のサイカチとも、マメ科のジャケツイバラとも言われています。どちらにしてもするどい棘があります。そんな棘のある木にもうまくからまって生き延びようというのです。当時の謀(はかりごと)の渦巻く役所で生き残り、無事に勤め上げるのは大変なことだったでしょう。 
                         屎葛(くそかずら)にしろ、皀莢(かわらふじ)にしろ、目立たないどちらかというと嫌われている植物です。自嘲気味な表現ですが、現代のサラリーマンにとっては身につまされる歌ではないでしょうか。 
                         
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